トラブルシューティング for MacOS 10.6

木谷 公哉(KITANI Kimiya)

はじめに
MacOS 10.6専用ではなく、その環境で利用している上で起こったトラブルシューティングを纏めています。このページを作る前のトラブルシューティングはSnow Leopard 特殊設定に記載しています。
1. スリープからの復帰時にAirMacに自動的に接続できない (2010.04.10)
この現象に見舞われた場合、まず疑うべきはシステム環境設定の「ネットワーク」の「ネットワーク環境」。新たにネットワーク環境を追加して設定してみましょう。
これはOSのアップグレードしたときに引き継いだネットワーク環境がおかしい時などに起こるようだ。ネットでの情報では「自動」(初期にあるもの)に変更したらよいとか書いてある。
2. Gimp 2.6.0 Nativeでの日本語文字化け問題 (2010.04.10)
フォント設定がおかしいので変更すれば直る。アプリケーションフォルダに入れたと仮定すると、ターミナルを起動して
open -a textedit /Application/GIMP.app/Contents/Resources/share/gimp/2.0/themes/Default/gtkrc
として、Enter。
style "gimp-default-style"の最後に
font_name = "Osaka 12"
を入れる。さらに、class ... の下側に
style "gimp-tiny-font-style"
{
  font_name = "Osaka 12"
}
を加えておく。
3. 実メモリを増やす(TIswitcherの無効化)2010.04.14
Snow Leopardで採用された「スクリプト切り替え」。Commandを押し続けながらspaceを押すことで、言語切替が視覚的にわかりやすく出てくる機能。英数とかなキーをつかって切り替えているので、基本的には不要な機能。しかも500MBぐらいの実メモリを使ってるじゃないですか。停止は、アクティブティモニタからTIswitcherプロセスを終了すればいいのですが、毎回するのが面倒ならば、「ターミナル」を起動して、下記のコマンドを入力してEnterを押すことで無効化できます。
sudo defaults write /System/Library/LaunchAgents/com.apple.tiswitcher Disabled -bool yes
元に戻す(有効化)は、
sudo defaults write /System/Library/LaunchAgents/com.apple.tiswitcher Enabled -bool yes
4. ssh接続時のパスワード自動保存を解除するためには (10.5/10.6) 2010.04.27
Leopard(10.5)以降、ssh-agentが自動で動くようで、一旦パスワードを入れてしまうと自動保存されたりします。以前と同じように、毎回パスワードをきいてくるようにするには、シェルの環境設定「SSH_AUTH_SOCK」を消すことです。tcshならば、.loginか.tcshrcあたりに、
unsetenv SSH_AUTH_SOCK
でしょうし、bash系なら
unset SSH_AUTH_SOCK
だと思います
5. Microsoft Office 2011 (ダウンロード版:VLCライセンス)のインストール方法が分からない 2010.11.08
ライセンス版の場合、ダウンロードしたソフトウェア(ISOイメージ)を、DVD化しても、SharePointサーバソフト (Windows用)しか見えない(Toast 10で書き込み)。ハイブリットDVDというこということなので、Windows側しか見えていないのでしょう。その理由はよく分からないが、下記で対応。
  • 拡張子ISOをimgに変更し、ダブルクリックでイメージをマウントさせる
  • 後は通常インストール
Microsoft Office 2008など古いOfficeアプリを消したければ、Office2008ならアプリフォルダ内の「その他のツール」→「Remove Office」→「Remove Office.app」を実行すればいい。
6. Windowsで文字化けしないZIPファイルを作成するためには 2010.12.06
この問題は知ってましたが、あんまり気にしてませんでした。解決するのが面倒だったからです。ですが、MacWinZipperというフリーソフトをつかうことで簡単に解決したので、そのメモを載せます。ZIP暗号(パスワード)対応というのがいいですね。
なお、文字化けしてしまうZIPファイルを受け取ったときには、Explzh for Windowsの開発元が出している、「Archive decoder」を使うと文字化けせず解凍できるそうです。もちろんシャアウェアの「Explzh」でもOK。
情報元:
7. デジカメ動画をiDVD経由でDVD作成すると音がでない 2010.12.30
デジカメはMPEG1動画。しかし「25コマ/秒」という特殊フォーマットのようで、これがだめなのかなぁと思います。iMovieで編集すると、30コマ/秒にコンバートするかどうかきいてくるのでコンバートします。これを共有-->ムービーで書き出すをしてから、iDVDに取り込むといけました。
SONYのデジカメで、Perianプラグインを削除してもダメでしたねぇ。
8. TrueCryptで作成したボリュームがマウントできない (2011.01.17)
旧バージョンで作成したものを開くことができない場合があります。また64bit kernelを使っている場合には、MacFuse 64bit版でなければ作成はできますが、開くことができません。「Mac Snow Leopard 64BitでTrueCryptを使えるようにする。」を参考に、MacFuse 64bit版にした上で、ボリュームを作成しましょう。
NTFS-3Gが使えない原因も、MacFuseが原因である可能性があります。
※Linux版の場合には、カーネルにfuseを組み込むか、dkms, dkms-fuseを入れて、modprobe fuseとすることで、カーネルにfuseを組み込まなくても使えるようなります。が、Redhat Linux ES5 64bitではdkms-fuseをyumからダウンロードできませんねぇ。
9. NTFSフォーマットのディスクへの書き込み (2011.01.17)
割と有名になっていますが、Snow Leopardならば標準で機能があります。しかしデフォルトはOFFになってますね。面倒なのは、ディスク毎に設定が必要な点。しかし下記でその問題も大体解消できる
  1. /etc/fstabに、「LABEL=ボリューム名 none ntfs rw」を入れる
  2. そして再起動
ポイントは、使いたい「ボリューム名」をいれておくだけ。
あとは、NTFSフォーマットしたディスクに/etc/fstabで指定した「ボリューム名」を設定するだけ。これはWindows側の設定となる。ドライブ部分でクリックすると変更できるでしょう。
10. Sophos Antivirusを使っていてFileVaultを有効にするとログインできなくなる (2011.01.21)
現状ではターミナルで下記のコマンドを実行して、Sophos Antivirusのスレッドを大きくするしかないようです。 Filevaultを有効にするまえに
sudo defaults write /Library/Preferences/com.sophos.sav WorkerThreads -int 15
として再起動。
詳細情報はSophos Openforumに投稿しました(ID: kimipooh)。
11. 仮想メモリのスワップ抑制と完全停止方法(2011.01.27)
まず現在どれだけメモリを使っているのかを簡単にチェックできる環境構築をお勧めする。筆者のお勧めは、Menu Metersである。システム環境設定アプリで、インストール後はシステム環境設定内で設定することになる。お勧めの設定は下記の通り。
CPU: CPUメータを表示:レベルメータ
メモリー: メモリーメーターを表示:円グラフ
とりあえずメモリの方を設定すると、上部に円グラフが出てきます。クリックすると仮想メモリを含めた情報に加え、スワップファイルの数と容量まで出てきてくれます。

さて本題の方ですが、Snow Leopardにアップグレードのメモとしても書いていましたが、こちらに情報を集約整理します。
基本的にはスワップの抑制でいいと思いますが、完全停止の方も捨てがたい。メモリ6GBも搭載していれば完全停止でもいいでしょう。筆者は、MacBookPro 15inchで2年ほど完全停止を使っていて、最近は64bit kernelモードで利用していました。本日、抑制のほうも実験的に使って見ねばならないなと思って、そちらに一時的に切り替えてどちらが体感的にパフォーマンスがいいのか調べてみますね。なお、最近購入したMacbookair 11inchは抑制の方を使っています。
種別方法
抑制
(2009.12.15)
スワップ管理のdynamic_pagerプロセスを改変し、64MBの/var/vm/swapfile0 以上のスワップファイルを生成されないようにする。メモリ不足時には、
% sudo grep "no space" /var/log/system.log
でエラーメッセージがでるとのこと。
dynamic_pager hack on Snow Leopardの灰色部分をコピーし、Makefileと名でテキスト保存。たとえばデスクトップに保存したとすると、
% cd ~/Desktop/ ; make
としてエラー無く終われば(Warningは沢山でるが最後の行がErrorじゃなかったらOK)、
% sudo make install
として/sbin/dynamic_pagerを入れ替え。

※オリジナルは/sbin/dynamic_pager.appleにバックアップされ、sudo make uninstallでもとに戻される 設定すると抑制されるらしい。でもdynamic_pagerは動いていて、すくなくてもswapfile0は出来てしまう。
完全停止
(2009.12.15)
ようは、dynamic_pagerを起動時にロードしないようにすればいい。
影響としては、メモリ不足時には処理が遅くなる模様。そのときにはアプリをいくつか終了すればいい。たとえば6GBもメモリ搭載しているなら、Parallels DesktopでWindows7やVistaを起動してもメモリ不足になることは希(PhotoshopやWord,Excep,PowerPoint,Acrobatその他もろもろ沢山立ち上げない限り)。
しばらく様子をみたいなら、「アクティブモニタ」アプリで、dynamic_pagerを強制終了すればいい。ロードしないようにするには、
sudo launchctl unload -w /System/Library/LaunchDaemons/com.apple.dynamic_pager.plist
そして再起動。
アクティブモニターなどで、dynamic_pagerが起動しなくなったことを確認して、
sudo rm /var/vm/swapfile*
とでもしてもし無駄なスワップファイルを削除。
もとにもどすためには
sudo launchctl load -w /System/Library/LaunchDaemons/com.apple.dynamic_pager.plist
とすればよい。
12. FileVaultを有効時にTime Machineでのバックアップがログアウト時しかされない(2011.01.28)

FileVaultによって、ユーザフォルダが1つの暗号化イメージファイルに置き換わります。ログイン時にはこのイメージファイルを開いた状態になっています。さらにログアウト時に初めてデータの整合性チェックがされるようです(ログアウトまで削除したデータ分の容量が減らない)。従ってTime Machineではこのイメージファイルが取り出されるログアウト時のみになっている上、かならず毎回ユーザデータまるごとバックアップされるので時間もかかりTime Machineの意味がありません。

そこで下記の方法を使って、ユーザフォルダとそれ以外を分けてTime Machineさせることによって、ログイン時にもTime Machineでのバックアップがされるようになります。デメリットは、バックアップ先が暗号化されないことです。このあたりはAppleになんとかしてもらいたいものですが、まぁ据え置きHDDにバックアップする、バックアップ後は金庫に入れるなど別途対策をすればいいかと思います。

※Time Machineは、イメージファイルをマウントしているもののみを対象にします。FileVaultはログイン時にマウントしますが、単なるイメージファイルはマウントしないとバックアップされませんので注意 (2011.02.10)

※ログアウト時にTime Machineによるバックアップが動いてしまった場合、もし/Library/Preferences/com.apple.TimeMachine.plist内の、IncludedVolumesUUIDsに設定をしていないと、次回はFileVaultイメージ丸ごとバックアップしようとしてしまいます。そうなってしまった場合には、次回ログイン時にバックアップ先データの最新データのフォルダ内をみて、ユーザ名のフォルダがその中のトップになければ削除しましょう。これでそれより一つ前との差分がバックアップされます。その上で正しく設定しましょう。(2011.02.24)

  1. 開発者向けシステム「Xcode」をインストールし、「Property List Editor」が使えるようにします。
    • すでにMacやiPhoneアプリ開発者ならインストールしているでしょうから不要です
    • ダウンロードには、Apple IDが必要です。取得してもらいましょう。iTune で音楽をダウンロードしたことがあるなら持っているはずです
  2. 管理者権限を有するユーザを1つ別に作ります
  3. 作成したユーザでログインしなおします(現在のユーザをいったんログアウト)
  4. HDD→ユーザ→File Vaultを有効にしたユーザ→そのユーザ名のファイルを開きます。
  5. ターミナルを開きます
  6. sudo diskutil info /Volumes/そのユーザ名 を入れてEnter。出てきた表示からUUIDの値をコピーします
  7. /Library/Preferences/com.apple.TimeMachine.plistのアクセス権限を一時的に解放します。
    後ほど保存し終わったら必ず元に戻しましょう(方法は後述)
    1. ターミナルを開きます
    2. sudo chmod 666 /Library/Preferences/com.apple.TimeMachine.plist
  8. /Library/Preferences/com.apple.TimeMachine.plistを開きます。
  9. IncludedVolumeUUIDsをクリックして選んで、右クリックで「Add Row」を押します。Item 0が増えるでしょう。Typeは「String」にします。
    • もしIncludedVolumeUUIDsがなければ、Rootを右クリックして「Add Row」をした上で、Typeを「Array」、名前は「IncludedVolumeUUIDs」にしましょう
  10. 値に先ほどコピーしたデータをペーストしましょう
  11. ユーザのホームディレクトリを開きます
  12. ~/Library/Preferences/com.apple.finder.plistを開きます。
  13. FXRecentFondersから、ユーザ名と同じものを探す
  14. file-dataの中の_CFURLAliasDataの値コピーします。
  15. /Library/Preferences/com.apple.TimeMachine.plistを開きます。
  16. IncludeVolumesをクリックして選んで、右クリックで「Add Row」を押します。Item 0が増えるでしょう。Typeは「Data」にします。
    • もしIncludedVolumesがなければ、Rootを右クリックして「Add Row」をした上で、Typeを「Array」、名前は「IncludedVolumes」にしましょう
  17. 値に先ほどコピーしたデータをペーストしましょう
  18. ホームディレクトリのパス(通常は、「/Users/ユーザ名」)が、ExcludeByPath, ExcludedVolumes, SkipPathsに含まれていないことを確認します。
  19. ExcludeByPathを右クリックして「Add Row」、Typeは「String」値には、「/Users/ユーザ名/ユーザ名.sparsebundle」を入れましょう。
  20. これで保存します
  21. /Library/Preferences/com.apple.TimeMachine.plistのアクセス権限を元に戻します。
    1. ターミナルを開きます
    2. sudo chmod 644 /Library/Preferences/com.apple.TimeMachine.plist
    3. sudo chown root /Library/Preferences/com.apple.TimeMachine.plist
    4. ついでにディスクユーティリティを使って、アクセス権修復をすれば確実でしょう
  22. 再起動します
  23. Time Machineを有効にして、バックアップしてみます。
  24. 成功している場合には、各バックアップフォルダ内に2つのフォルダ(片方はあなたのユーザ名)が出来ているはずです
  25. さらにログアウトしてからログインして、バックアップフォルダの最新データを見ましょう。InclucdedVolumeUUIDsを正しく設定していれば、同じように各バックアップフォルダ内のトップにあるユーザ名のフォルダにデータがちゃんと入っているはずです。これは何も無ければ、設定が正しくないということになります
なおこの方法は、イメージファイルにも適応できます。たとえば巨大なイメージファイルにデータを入れて頻繁に更新する場合には、この方法を使えばいいでしょう。異なる部分は、「ユーザ名」をそのイメージファイル名、そしてディレクトリ構成でしょう
13. MacOSXで下が長い吉の出し方(2011.06.14)
  1. システム環境設定の「言語とテキスト」を開く
  2. 「入力ソース」から「キーボードビューアと文字ビューア」(一番上)をチェック
  3. 下図のように言語セレクターから「文字ビューアを表示」を選択
  4. 下の検索窓で「吉」をいれてEnter。そして「文字情報」を開くと、ほらでてきました!
    MS明朝やゴシックにはないフォントです。ヒラギノフォントやメイリオなどを選択してくださいね
14. IO-DATA USB-RGB/D2が使えない(2011.06.23: 解決)
成功した環境
  • MacBookPro 15inch 2.8Ghzモデル
  • ノートは閉じた状態で外部ディスプレイを表示
  • 64bit カーネルモードで起動
  • MacOS 10.6.7

付属のドライバは「Intel CPUと違うのでインストールできません」と出る。Intel CPUを使っているのには間違いないので、何かがおかしい。いろいろCD内を探すと、「DisplayLink Software Installer.pkg」を発見。この中の、「InstallationCheck」「preinstall」を見ると、「sysctl -n hw.machine」で「x86_64」と64bitモードで使っているかもしれないと思いつつも、「sysctl -n kern.osrelease」で何故か「10.7.0」と認識されている。このあたりかもしれないと思い、そもそもこれらのチェックを外してインストール。

動かないし/var/log/system.logでエラーが沢山出ている。そこで、よりあたらしいドライバを探してみると、ありました。Displaylink社のもので、10.6対応とのこと。付属していたのが1.5b6で、最新版がが1.6。つまり10.6非対応だったのでした。最新版である1.6を入れることで解決。

なおUSB-RGB/D2に接続したほうが優先されるので、こちらにメインディスプレイを接続し、セカンドモニタを通常の接続先に接続すること。