Ipv6 ネットワーク構築 in Internet Week 2004

Valid CSS! Valid XHTML 1.1! 木谷 公哉(KITANI Kimiya)

講師
  • NTTコミュニケーションズ(株) 宮川 晋氏
  • NTTコミュニケーションズ(株) 白崎 泰弘氏
※以下、私的に興味を覚えた点をまとめておく。
IPv4のチューニングアップ
専用回線10Mbps, ダイアルアップ64Kbpsを最大速度としてチューニングアップされていたので、現行の1Gbpsなどの高速通信では、様々な問題が生じてきている。つまり、無駄な通信が多くなっていたりするわけだ。
IPv4 with NAT vs IPv6
IPv4はアドレス枯渇問題があるので、IPv6のような巨大空間をもっているものに替えなきゃならないと言われていたが、現在NATを利用したプライベートアドレスが広く広まり、アドレス枯渇問題は表面上問題ではなくなっている。では何故IPv6が必要なんだろうか。一つは、NAT配下を直接管理することが非常に難しかったり、またNATボックスが大量にあったりすると、ポートフォワーディングやらDMZやらいろいろと工夫しないと通信しあうことができない。つまり管理者にとって非常にメンテナンスが難しいネットワークであるといえる。一方IPv6はグローバルアドレスであるため、IPフィルタリング(ファイヤフォール)は、必要ではあるがポートフォワーディングとかは全く必要ない。また、現在一般ユーザがサーバを立ち上げるために、固定のIPv4をゲットするには、あまりにも価格が高く、しかたなくDDNSを利用しているのが現状だ。しかし間違ったサイトへ誘導されてしまう可能性など安定性を保持できないデメリットがある。そのため、1ユーザに広大なグローバルアドレス空間をもらえるIPv6は非常に魅力的だといえる。なお、プラグアンドプレイと呼ばれるIPv6自体にDHCP機能があるが、まぁ現時点ではルータにDHCPサーバ機能があるんだから、それに関しての優位性はあまりないでしょう。そうそう、モバイル端末としてP2Pが簡単にできるというのは良い点だそうだ。いままでは、ある拠点を経由しての通信だったので無駄なトラフィックが生じたが、IPv6の場合には、全ユーザが同一のアドレス空間に存在することも可能だ。
IPv6のヘッダは単純!
基本ヘッダ(32bit)は、
VersionTraffic ClassFlow Label
PayloadNext HeaderHop Limit
Source Address
Destination Address
のように単純な仕様となっている。
アドレスの種類(参考サイト
ユニキャストとして、グローバル(グローバルアドレスのこと)、リンクローカル(ルータを超えないアドレス)がよく使われるようだ。サイトローカルはそのうちなくなる予定だから、使わないようにということ。なおブロードキャストは存在しないのが特徴。なおマルチキャストとブロードキャストの違いは、ブロードキャストがイーサネットレベルで送信し、クライアントに強制的に受信させるのに対して、マルチキャストは、クライアントがJoinしないかぎり受信しなくてよいというもの。そのためクライアントのCPUロードが大幅に減ることになる。あとはエコーキャストも使われる。
アドレスの割り振り
IPv4ではアドレスをホストに割り振ったり、インターフェースに割り振ったりしていたが、IPv6ではインターフェースごとにアドレスを振り分けることになったので、リンクローカルによってそれらをマッピングすることによって、かならずユニークなアドレスとして認識できる(インターフェースIDの下部48bitがインターフェースのMACアドレスを使っているためであるが、これもifconfigなどで可変可能なので確実ではない)ため、サイトローカルの必要性がなくなっているわけだ。
グローバルユニキャストアドレス
直感的にはグローバルアドレスと思ってもらえばよい。128bitの割り振りは、フィードバック等を考慮していくことによって、現在、グローバルルーティングプレフィックスに48bit, サブネットIDに16bit, インターフェースIDに64bitに落ち着いている。さて、広大なアドレス空間がもらえるということだが、どういう分離方法がいいんだろうか。IPv4では、小規模な会社とかだとなんとかクラスC(/24: 256個)がもらえていた。だが個人となると、/29 (8個)あるいは、/28 (16個)程度だったでしょう(ブロードキャスト、ネットワークアドレス含む)。さて、ほぼ無制限にアドレスを渡せるようになったわけだから、みんな等分にしたほうが管理側も簡単ではないかと思われる。つまり、1サイトに(1ユーザに)、1グローバルルーティングプレフィックスを分け与えれば、サブネットID分、すなわち65536個のアドレス空間が利用できるわけだ。つまりユーザ側では、/48がもらえる(IPv4で考えれば、/16がもらえるのと同等)こととなり、ほとんど無制限に利用できることとなる。
pTLA(pseidp TLA)の終了に伴う注意点
2006.6.6に終了予定らしい。これで使っていた3Fから始まるアドレスは利用できなくなるので注意が必要。
リンクローカルの優位性
サイトローカルはWindowsXPで利用しているため、ロングフォーンなど新Windowsが出たりして、使わなくなるまで(おそらくIPv6完全対応を売りにするだろうということ)、利用せざるを得ない。リンクローカルは、Layer2によらないARP情報を保持できるため(Layer3レベル)、Apple Talkなどのようにルータ越えができない通信制限があったことが解消される可能性が高い。また自動設定のため、アドレスの衝突を防ぐことも出来るだろう。